高森藍子「お昼はお休み」

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2 : ◆U.8lOt6xMsuG 2017/09/18(月) 01:46:43.60 ID:lBwzHOuD0 

土曜日。 

事務所の、Paの部署の部屋で一人、僕はコーヒーを啜る。最近コーヒーメーカーが新調されてからというもの、この味にはお世話になりっぱなしだ。ちひろさんが言うには「安物」だそうだが、僕にとっては値千金の機械にも思える。余裕があれば、これと同機種のものを買いに行きたい。 

舌鼓を打ちながら飲み干したカップを机に置き、テレビをつけた。映し出されたニュース番組では、女子アナがこれからの天気のことを感情たっぷりに読んでいる。どうやらお昼頃から雨が降るらしい。洗濯物が心配だ。 

「あー…」 

画面右上の、現在の時刻が映し出されている部分へ視線を持っていく。ポップな『7:52』という数字は、自分の頭を抱えさせた。 

新しくコーヒーを注ぎに行こうかとしてカップに手を伸ばす。すると、夕美の担当Pが出社してきた。僕の存在に気づいた彼は、「おはようございます」と言い切ることなく、少しの間僕のことを不思議そうな目で見て、 

「今日、お前休みじゃなかったっけ?」 

と告げた。その言葉に、僕はただ力なく首を縦に振るしかなかった。 


3 : ◆U.8lOt6xMsuG 2017/09/18(月) 01:47:39.25 ID:lBwzHOuD0 

事の顛末。 

余らせるのももったいないと思って、今日と明日の二日間、有給休暇を取った。 

そしてそのことをすっかり忘れていた。 

今朝目を覚まして、いつものように身支度を整えて、食事を取って、駅まで歩いて、電車に乗って、「今日も一日頑張ろう」と決意して、事務所に一歩踏み込んだところで、休日ということを思い出した。 

仕方が無いから不貞くされてコーヒーを湧かして飲んでいた。そこに夕美Pが来て今に至る。 

以上。 

「いや帰れよ」 

僕の説明を聞き終えた夕美Pは、一言ばっさりと言い放った。彼の表情はあきれまくっている。 


4 : ◆U.8lOt6xMsuG 2017/09/18(月) 01:49:46.60 ID:lBwzHOuD0 

彼が来て、僕がここに居座る理由はなくなった。事務所の鍵を彼に託し、僕は帰路につく。家に着くとすぐ、まだ乾いていない洗濯物を取りこんだ。午後から降るらしいし、部屋干しにしておいた方がいいだろう。 

スーツを脱いで私服に袖を通し、カバンに折りたたみ傘を入れて外に出る。せっかくの機会だし、決意が揺らがないうちにコーヒーメーカーを買いにでも行こうかと、近所の家電量販店まで足を運ぶことにした。 


のんびりと歩きながら目的地を目指す。道中、いくつかの気になるものとすれ違った。そうしてふと、誰もいない自分の右隣へ目をやる。 

いつもは隣にいる、今はどこにいるか分からない彼女の姿を想像した。 

もし彼女が僕の隣で歩いていたら、僕はそのすれ違ったもの達を彼女に嬉々として教えて、そして彼女はそれらを首からさげたカメラで撮るだろう。 

今までのように。 

…そういえば、最近は彼女と一緒にいる時間が、自分の時間の大半を占めているような。今は一人で歩いているけれども、彼女の担当になってから、こういう状況は珍しい。散歩をするときも、現場まで行くのも、いつも彼女が僕の隣にいる。 

流石に知名度が上がってからは、現場まで行くことはともかく、一緒に散歩なんかは控えた方がいいと思っている。けれど、僕も彼女もそれを全く控えず、むしろ段々と一緒にいる時間が増えている。 

そろそろ本気で、この事について考えた方がいいかもしれない。まあ、悪いのは全部、彼女にお誘いの言葉を投げかけられ、それを断ることのない僕だけど。自戒が一切出来ていない。どうにも僕は彼女に流される傾向があるようだ。彼女ももう売れっ子アイドル。締めるべきところは、きっちりと締めないと。でないと、どうなるか分からない。 


5 : ◆U.8lOt6xMsuG 2017/09/18(月) 01:50:40.64 ID:lBwzHOuD0 

「…」 

彼女と一緒にいる時のことを想起した。昼寝している猫を起こさないように、慎重にシャッターを切る姿。胸の大きい女性とすれ違ったとき、ほんのわずか、表情に陰りを出す姿。一緒に入った喫茶店で、のんびりと、顔を綻ばせながらパンケーキを食べる姿。 

思い起こしただけで、心の内側からポカポカするような、暖かい気持ちになった。 

彼女は本当に不思議な人だな、と思う。一緒にいるだけで、何をしなくても、安心出来る。ただ彼女の隣に立って歩くだけで、会話をせずとも充足感を覚える。姿を見るだけで、ほっこりする。 

彼女のもつ雰囲気というか、オーラというか、人となりが、そういうことを可能にしているのだろう。彼女は人を癒やす才能に恵まれている。 

もしも彼女がアイドルになっていなかったら、セラピストになっていたかもしれないと思う。セラピスト…なかなかに合うかもしれない。まあ僕は、アイドル以外の仕事を彼女にして欲しくないけれど。 


6 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2017/09/18(月) 01:51:15.44 ID:lBwzHOuD0 

そんなしょうも無い事を考えて居る内に、目的地である家電量販店に到着。傘も持ってきているし、そんなに急ぐこともないと、店内を物色することにした。購入するつもりは無いけれど、様々な家電を見回るだけでも楽しいし、「今はこんなものがある」と、誰かとの会話の種にもなる。 

店側からしたら良い客ではないな。後でコーヒーメーカーをちゃんと買うので目をつぶってくださいお願いします。 

言い訳を考えながら、店内を歩き回る。テレビ、パソコン、などのコーナーを渡り、気がつくとカメラのコーナーへ着いた。と、同時に、声を漏らす。 

「あ…」 

そこには、見慣れた人影が一つ。軽く変装はしているけれど、すぐに分かった。 

向こうも僕の存在に気がついたようで、手に持っていた展示品を置き、僕に駆け寄ってきた。 

「こんにちは、プロデューサーさん!」 

「奇遇だね、藍子」 

藍子は僕に笑顔を向ける。それを見ると、何も心配事なんかないのに、ホッと一息ついた心地になった。…やっぱり、藍子は人を癒やす才能に恵まれているかもしれない。 


12 : ◆U.8lOt6xMsuG 2017/09/19(火) 03:07:51.46 ID:5VUtcaEU0 

自分がオフを取る日は、決まって藍子のオフと合わせるようにしている。でも、藍子がオフの時でも、自分には仕事がある日が多い。 

そのため、今日も「藍子はオフだったな」なんて思いつつも、出社してしまったことを思い出した。担当のアイドルのスケジュール管理はしっかり出来ているのに、自分の管理がおろそかすぎる。まったく、自分が嫌になる。 

「カメラ?」 

「はい」 

藍子の後について、僕もカメラが展示されているコーナーへ。多種多様なカメラがこちらを向いておいてある。色、レンズ、大きさなど様々だったが、全てに共通する事項が一つ。 

「高いね…」 

「そうなんですよね…」 

そのほとんどが5桁の値段で、一部はそれにまた一つ桁が上乗せされている。安いパソコンなら余裕で買える値段だ。 

「買うの?」 

「こ、今回はちょっと…」 

社会人の僕でもおいそれと手を出せない価格帯だし、アイドルでも、女子高生である藍子には厳しいだろう。買うにはそれ相応に決意と覚悟が必要になりそうだ。 

結局、二人でいくつか見て、手にとってファインダーをのぞき込むぐらいのことだけをしてからカメラのコーナーを後にした。 


13 : ◆U.8lOt6xMsuG 2017/09/19(火) 03:08:31.70 ID:5VUtcaEU0 

藍子にここに来た理由を話して、二人で料理用の家電が置いてあるコーナーへ歩く。ミキサーとか、トースターの隣に、いくつかのコーヒーメーカーが置いてある所を発見。 

「あ!これ、事務所においてあるものと同じですね」 

「……うん」 

コーヒーメーカーの値札を見て、「安い」と思ってしまった。…カメラのあの値段を見た後だからそう感じたのではない。コーヒーメーカーでも、高いものはあのカメラ達と同じくらいの値段のものもある。 

そうじゃない。藍子の指さした、事務所のものと同機種のコーヒーメーカーは、展示品の中で一番の安物だったのだ。他の商品には機能とか、洗う手間とか、味と風味だとかいろいろな宣伝文句がつけられているのに、件のそれにはほとんど何もない。 

…僕は、これを今までありがたがって飲んでいたのか。全く、本当に自分が嫌になる。味音痴め、何が値千金だ。ちひろさんの言うとおりじゃないか。安物じゃないか。ヨンキュッパじゃないか。4桁じゃないか。 

「…ふぅ」 

「?、プロデューサーさん?」 

いや、考え方を変えよう。高価なもの=良い商品とは限らないじゃないか。もしかしてこれは、無駄な機能を一切省いて、味だけで勝負しているのが売りなのかもしれないし。 

「これにするよ、事務所のと同じだし」 

箱を手に取り、藍子に宣言するように告げた。藍子は他に良いものがあるのではという顔をしていたが、僕の理由を聞くと納得したようで、「そうですか」と嬉しそうに笑った。 

半ば負け惜しみのような理由と言い訳を心の中で言い、自分を納得させながらレジに進む。隣の藍子は、自分が何かを買うわけではないのに、なぜか満足そうだった。 


14 : ◆U.8lOt6xMsuG 2017/09/19(火) 03:09:21.53 ID:5VUtcaEU0 

会計を終え、店外に出ようとする…が、しかし。 

「雨…」 

藍子がポツリと呟いて、足を止める。僕も同じように足を止めた。土砂降りとまでは行かないが、パラパラとまばらに降っている。予報では、雨が降るのは午後かららしかったが、どうやら外れたらしい。左手首の腕時計が正午を指すまでに、まだ2時間以上も猶予がある。 

「藍子、傘は持ってきてる?」 

「いえ…お昼までには帰ろうと思っていたので…」 

藍子も天気予報を見てきて、それを元にしたスケジュールを立てていたらしい。しかし、予報ハズレの雨のせいで崩れてしまったようだ。 

僕はカバンの奥に入れておいた折りたたみ傘を取り出し、藍子に手渡す。 

「これ使って。濡れて風邪をひかないようにしてね」 

「え、ちょっとプロデューサーさん!」 

持ってきたカバンを頭の上に持っていく。コーヒーメーカーが濡れないか心配だが、箱に入っているし、まあ家までは大丈夫だろう。 

覚悟を決め、雨の下に出ようとしたところで、藍子に呼び止められた。 

「プロデューサーさんはどうするんですか?」 

「走って帰るよ」 

「いけませんよ!」 

藍子が強い口調で、まるで僕をしかるように言う。そして、僕の手を引いて、雨が入り込まないところまで連れた。 

「プロデューサーさんが風邪を引いちゃったらどうするんですか!」 

彼女の今までに見ない剣幕に、口ごもってしまう。そんな僕を尻目に、藍子は傘を開き、濡れた路面に立ち、僕の方を見る。 

僕を見るその表情は、ほのかに朱に染まっている。今度は藍子が少し口ごもって、 

「…家までご一緒させてください」 

そう言った。 

雨が少し強くなった。 


15 : ◆U.8lOt6xMsuG 2017/09/19(火) 03:09:58.12 ID:5VUtcaEU0 

水溜まりを避けながら、二人で並んで歩く。傘は最初、藍子が持っていたけど、腕が疲れてからは交代して、今は僕が持っている。 

パラパラと傘に当たる雨音が、その下の空間を支配し、僕と藍子の二人だけを世界から切り離したような錯覚を覚える。 

雨は段々と勢いを増していく。折りたたみ傘は普通の傘と比べて小さい為、濡れないようにと、くっつかない程度に藍子の方に体を寄せる。それでも肩は出てしまうので、仕方なくそこだけは濡らすことにした。 

歩いて行く内に、藍子の口数はどんどん少なくなり、それと反比例するように、藍子の顔と耳は、雨が強くなると共に朱くなっていく。…この意味が分からない程僕も馬鹿じゃない。藍子はこのことを隠しているつもりだろうけど、かなりわかりやすい。 

そろそろ本気で、この事について考えた方がいいかもしれない。…何回目だ、このことを考えるの。本当に、自戒も対処も何も全く出来ていない。本当に、自分の事が嫌になる。 


16 : ◆U.8lOt6xMsuG 2017/09/19(火) 03:10:25.77 ID:5VUtcaEU0 

歩き慣れた道を辿り、家まであと少しという所で。 

「うわぁあああ!?」 

「ひゃっ!!」 

雨だというのに、道路をハイスピードで走る車とすれ違う。二人で思いっきり水しぶきを浴びてしまった。肩以外の部分も一瞬で水浸しになる。 

「プロデューサーさん、大丈夫ですか!?」 

「…ああ、うん。藍子の方こそ大丈夫?」 

僕に比べると藍子はそれほど濡れていない。しかし、スカートがやられてしまったようだ。濡れたスカートは藍子の足にぴったりと張り付いて、太ももの形をくっきりと浮かび上がらせた。 

それを一瞬でも目にしてしまったことに罪悪感を覚え、すぐに視線を前の方に向ける。 

「…そろそろ僕の家だし、そこでタオルを貸すよ」 

僕の言葉に、藍子はただ頷いた。担当のアイドルを家に連れ込むのはいかがなものかと思ったけれど、こういう場合はやむを得ないだろう。 

スカートが足に張り付いて、歩きにくそうな藍子に歩幅を合わせる。家に戻るまで、さっきの後継が脳内に何度もちらついた。忘れるように気を回していると、目の前の水溜まりの存在を見落としてしまい、左足を突っ込んでしまった。 


17 : ◆U.8lOt6xMsuG 2017/09/19(火) 03:11:03.00 ID:5VUtcaEU0 

靴の中まで入り込んだ水の感触が気持ち悪い。ぐちゅぐちゅと音を立てるそれを引きずりながら鍵を開け、玄関で靴を脱ぐ。くぷっと、靴が間抜けな音を立てた。 

「おじゃまします…」 

藍子も玄関に入る。その間、スカートのことは極力見ないようにつとめた。 

「ちょっと待っててね、今タオルを持ってくるから…」 

濡れた靴下を脱いで、家に上がる。床に残った自分の足跡も、後で拭いておかないと。 

バスタオルを二枚、部屋から玄関まで持っていき、内一枚を藍子に差し出す。 

「はい。とりあえずこれで、あらかた拭いて」 

「…ありがとうございます」 

藍子は僕からバスタオルを受け取ると、僕に背を向けて玄関の段差に腰掛け、自らの濡れた足を拭きだした。 

僕はさっきのことを思い出してしまいそうだと思い、藍子の方を見ないように、同じように背を向ける。 

「プロデューサーさん」 

「ん?」 

声がすると同時に、後ろに少しだけ、暖かく、柔らかい、少し湿った感覚を覚える。視線を落とすと、二本の腕が、僕の体を抱き締めていた。 

「…藍子?」 

「…」 

藍子は、体を少し震わせながら、僕にその体を押しつける。 

「…どうしたの?」 

「…」 

藍子に疑問を投げかける。でも、藍子はそれに答えることをせず、ただ抱き締めている腕に力を込める。 

「藍子?」 

「……さっき…見てましたよね…その…私の…」 

もう一度、さっきと同じ言葉で疑問を投げ変えると、今度は違った言葉で返してくれた。返してくれた、けれども。その言葉で僕はぎくりとさせられた。 


18 : ◆U.8lOt6xMsuG 2017/09/19(火) 03:11:33.90 ID:5VUtcaEU0 

女性は自分の胸が見られていることに十中八九気がついているらしいけど、アレって太ももでもそうなのか。いや、そんな事を考えている場合じゃない。 

「…ごめん」 

反射的に、藍子に謝罪の言葉を差し出す。許してもらえるかどうか分からないけれど、これは言わなくちゃいけないだろう。 

でも、藍子の返答は意外なものだった。腕に更に力を込め、少し痛いくらいに僕のことを抱き締め、 

「そういうことじゃなくて…その…プロデューサーさんさえ…あの…」 

所々口ごもりながら、つっかえながら藍子は言葉を紡ぐ。背中に伝わる藍子の熱が、段々と高くなっていっているような錯覚を覚える…いや、錯覚ではないのかもしれない。 

藍子は一度大きく息を吸い込んで、吐いて、少しの間黙る。密着した体に伝わる藍子の拍動は、早くなっていく一方だ。 

長いような一瞬の沈黙の後。 

「…寒いです」 

藍子はぽつりと言葉を零す。言葉と共に吐き出された吐息が、背中を撫でる感触にぞくりとした。 

「寒いです」 

一言一句、また繰り返す。その体の震えは、果たして寒さから来るものだろうか。 

それとも…。 

「暖めてください」 

背後の熱は、高くなっていく一方だ。 

「…ごめんなさい、忘れてくださ」 

腕が体から離れかける。それを離したくない僕は、藍子の手に、自分の手を重ね、握った。 


19 : ◆U.8lOt6xMsuG 2017/09/19(火) 03:13:27.76 ID:5VUtcaEU0 

握られた藍子の手は、びくっと跳ねたけれど、それも一瞬のことで、僕の手をおずおずと握り返してくる。 

この一連の問答と、それに隠された意味を理解できないほど、僕は馬鹿じゃない。馬鹿じゃないから、こういうことはダメだと理解している。 

理解しているハズ、なのだけど。 

…全く本当に、僕という人間は、相当なヤツなのだろう。自戒も対処も何も全く出来ていない。退こうとした藍子を引き留め、流れに身を任せ、自分勝手なことをしようとしている。 

しかもその行為に対して、言い訳を作ろうともしない。理由なら、「同じ気持ちだから」ってだけで。それだけの理由で、藍子の手を握り返した。 

僕は馬鹿じゃなく、大馬鹿者だ。 


24 : ◆U.8lOt6xMsuG 2017/09/20(水) 02:26:38.70 ID:wB82BmUW0 

寝室。藍子も僕も、濡れた服を脱いで下着姿になっている。自分のプライベートな空間に、藍子がいると言う事実の生み出すミスマッチ感と背徳感が僕を襲う。 

「んっ…」 

仰向けになっている藍子の上に覆い被さるような体勢になり、押さえつけるように唇を重ね、開かせ、口内へ自分の舌を入れ込む。 

「…んちゅ…はぁあっ…ふあっ…」 

最初は戸惑っていた藍子も、おずおずと自らの舌を僕の舌へと絡ませてくる。舌を舐め合い、口内をなぞり合い、唾液を交換させ合う。混ざり合った唾液の出す、ぴちゃぴちゃとした水音は、信じられないほど淫ら。 


25 : ◆U.8lOt6xMsuG 2017/09/20(水) 02:28:39.29 ID:wB82BmUW0 

どちらともなく、口を離す。藍子は口の周りを唾液で汚し、惚けたような、のぼせたような表情を浮かべている。僕はそんな藍子を見つめながら、背中を上げさせ、藍子のブラジャーを外した。 

「あっ…」 

自らのおっぱいを晒された藍子は、羞恥心からかそれを腕で隠す。僕はその腕を掴んで外し、隠されたそれをよく見えるようにする。 

「…その、私、小さいですし…恥ずかしいので…あんまり…」 

藍子が顔を背けながら、恥ずかしそうに告げる。言ってはなんだが、確かに藍子の胸は小さい。かの歌姫を少し盛った程度のバストサイズで、日頃から、彼女もそのことを少し気にしているようだ。 

しかし、どれほど大きい胸だろうと、どれほど綺麗な胸だろうと、この藍子の胸には敵わないのではないかと思ってしまう。そう思ってしまうほど、藍子の胸は魅力的で、扇情的で、僕は惹きつけられる。 

たまらず、乳首に吸い付いた。 

「ひゃうっ!」 

乳首を吸われた藍子は素っ頓狂な声を上げ、身をよじらせる。僕はそれに構わず、藍子の乳首を吸い、舌で転がし、舐めあげる。空いた右手で藍子の小さな膨らみに触れ、撫でるように揉む。柔らかなその胸を傷つけないように、掌で優しく、押しつぶすようにして揉む。 


26 : ◆U.8lOt6xMsuG 2017/09/20(水) 02:34:12.00 ID:wB82BmUW0 

口と掌で藍子のおっぱいを堪能していると、感触が変わってくることに気づく。掌の柔らかさの中に違和感を覚える。口の中の乳首もそうだった。固くなっていくそれを甘噛むと、藍子は甘い吐息と声を漏らす。 

「うぅ…あっ?…うんっ…」 

自分が出した甘い声を恥ずかしがり、藍子は口を噤む。しかし、乳首に刺激を与える度に、それを抑えきれずに漏らしてしまっている。その姿をたまらなく愛おしいと思ってしまった。 

夢中になって胸にしゃぶりついていると、藍子の股下の方から水音が聞こえた。右手を胸から離し、そのまま藍子の股にあてがう。パンツは、布生地の上からでも分かるほどに水分を含んでいた。 

濡れているよと教えると、藍子は更に恥ずかしそうにして、顔を手で覆ってしまう。 

…ああ、可愛いな。それでいて愛おしい。 

僕は藍子が恥ずかしく感じている姿に様々な感情と、大きな興奮を覚え、もっと羞恥に染まる姿を見たいと思い、あてがっていた右手をパンツの中に滑り込ませ、陰部を直接触る。 

右手に生暖かく湿った感触がダイレクトに来る。そのまま中指を淫裂に沿わせ、奥の方から愛液をかき出すようにして動かす。 

「ふあっ、あっ、んぅ…んっ!あぅっ……ふっ、はぁ……んくぅ…んん…」 

指を動かす度に、愛液は止めどなく溢れるため、右手はもうぐっしょりと濡れている。藍子は自分の指を噛んで声が漏れないようにしているが、呼吸はどんどんとせわしなくなり、指と口の隙間から漏れる吐息には喘ぎ声が混ざっている。 

パンツから右手を抜き出す。藍子はそれと同時に指を離したが、呼吸は荒いままだ。愛液がべっとりとついた指を舐めると、それを見た藍子は顔を真っ赤にする。これも彼女にとっては羞恥の対象のようだ。 

…もう、これだけ濡れているなら大丈夫だろう。シーツで右手の愛液を軽く拭い、体を藍子の下部へ移動させる。下が広がったパンツに手をかけ、藍子の腰を浮かせて、それを脱がす。 

藍子は涙を瞳に浮かべ、羞恥の感情に耐えようとしていた。 

30 : ◆U.8lOt6xMsuG 2017/09/21(木) 00:56:27.90 ID:s1G0vSFZ0 

生まれたままの姿をさらけ出した藍子の姿。16歳の、未成熟なその体はひどく性的。細身ながらも柔らかく、むっちりとしている。アンバランスなその体に興奮を抑えきれない。 

自らも性器を晒し、その先を藍子の陰部へあてがう。触れると、愛液が亀頭の先を濡らし、ぴちゃりと水音がした。 

「…っ!」 

勃起したペニスを見た藍子が息を呑む。そして、一呼吸置いて、覚悟を決めたのか、 

「…来て、ください」 

ぽつりと。生はマズいとか、避妊をしないととか、そう言う考えは持っていたが、全て吹っ飛んだ。 

膣口にあてがっていたペニスを進ませ、ゆっくりと挿入する。膣内は濡れきっていたが狭く、侵入してきた異物を排除すべく押し戻してくる。それに抗うように、藍子の腰を掴み、ゆっくりと、ゆっくりと挿入していく。 

「あ゛、あっ…!」 

根元まで入りかけたところで、藍子が苦しそうな声を上げる。その表情は苦痛に耐えるようで、口をきつく結んでいる。頬を、その澄んだ瞳から流した涙が伝う。挿入部からは愛液に混じって血液がしたたっている。 

…これが、藍子の初めてになるのか。 

破瓜の傷みがどれほどのものなのか、体感することの出来ない、男の僕には分からない。しかし、苦痛に顔を歪め、必死に耐えようとしている藍子の姿は、痛々しく、見ていられない。 

少し冷静さを取り戻して、竿を引き抜こうと腰を退ける…所で、藍子が僕の背まで腕を回して抱きつき、密着してきた。体を藍子に引かれ、正常位だったのが上から押さえつけるような体勢に変わってしまった。 

「…だ…大丈夫、ですから…」 

耳元で、鼻をすすりながら、涙混じりの声で強がられる。 

…大嘘を。呼吸はライブの後よりも荒く、背中に回された指を食い込ませておいて、平気なわけがないだろう。 


31 : ◆U.8lOt6xMsuG 2017/09/21(木) 00:57:47.67 ID:s1G0vSFZ0 

抜こうとするのを藍子が望まないのなら、痛みを少しでも和らげられるようにしよう。竿を動かさずそのままにして、藍子と向き合う。首元に手を回して藍子の頭を抱き、更に体と体を触れあわせる。互いの境界線がなくなるくらい、溶け合ってしまうくらい、くっついて、密着して、触れ合って、一つになる。 

その間も藍子の膣はひくひくと収縮してペニスに刺激を与えてくる。たまらず腰を動かしてしまいそうになるがこらえ、代わりにと藍子の頭を撫でる。乾ききってない涙の後を指先で拭い、見つめ合いながらキスをする。 

舌を絡ませていると、藍子が背中に回している手を僕の後頭部まで滑らせて、自らの体に引き寄せるように、腕に力を込める。そして、僕の口内を、入れた舌で舐めあげる。 

少しだけ積極的になった藍子がいじらしく、僕はそのまま好きにさせる。トロンとした瞳で、無心に僕の口内をむさぼろうとする藍子。さっきまで照れていたのが嘘のようだ。求めるまま、求められるままにキスを続ける。 

いつしか吐息に混じっていた涙は薄れ、入れ替わるように甘さを含みだした。キスを続けている内に、膣は潤いを増し、更に締め付けを強くする。 

「ぅん…ぷはっ…はぁ、はぁ…」 

「…藍子」 

「…っふゎ…ぁ、Pさん…」 

口を離し、藍子の名を呼ぶ。藍子も僕を呼び、見つめ、一呼吸置いて、 

「もう…大丈夫、ですから…」 

同じような言葉を紡ぐ。 

さっきと違って、声は落ち着いていた。 


32 : ◆U.8lOt6xMsuG 2017/09/21(木) 00:58:37.66 ID:s1G0vSFZ0 

この言葉が、嘘か本当かは僕には分からない。強がりかもしれない。しかし、僕にもうその真偽を確かめようとする理性は残されていなかった。それに、仮に痛かったとして僕はもう我慢が出来ない。 

緩く刺激を与え続けられたペニスに、更に刺激を与えるべく腰を引き、そして入れ込む。藍子の中はペニスをきつく締め付けるので、あまり早くピストンをしすぎるとすぐに果ててしまいそうだ。 

もっと藍子と繋がっていたい。まだ射精をしたくない。 

しかし、体は僕の言うことを訊かず、ピストンの速度を上げていく。 

「ひゃぁ、あっ、ふあぁっ、っぅん、んぁ、はっ…?」 

腰を打ち付ける度、藍子は喘ぎ声を上げる。もう吹っ切れたようで、喘ぎ声を隠そうともせずに響かせる。 

「…っ、藍子」 

「…っ、ぁ、は、はいっ…?」 

「…藍子」 

「…ぅん、はい、はいっ…?」 

何度も何度も、目の前でとろけるような声を上げている彼女の、抱き締めている彼女の、高森藍子の名前を呼ぶ。呼ばれる度に藍子は応え、呼応する様に膣はペニスに吸い付く。 


33 : ◆U.8lOt6xMsuG 2017/09/21(木) 00:59:19.07 ID:s1G0vSFZ0 

ピストンを繰り返し、腰を打ち付ける。その速度は上がり続け、このままだと、射精してしまいそうだ。 

僕はもう止まれなかった。もっと繋がっていたいとか、まだ射精したくないとか、そう言う考えはあるけれども、それ以上に、藍子の中で果てたいという気持ちが強くなる。 

「もうっ…出る…!」 

「はっ、はぁぁ?やぁ、あっ?」 

肌と肌がぶつかる音。ぐちょぐちょと激しくなる水音。淫らな、藍子の鳴く声。 

それらを聴きながら、ペニスを今までで一番深いところまで挿入し、僕はついに果てた。藍子の柔らかく締まる膣内でペニスをけいれんさせ、どくどくと精液を流し込む。 

「っんぅ…んん…あぁ…?」 

全てを吐きださせようと、ビクビク跳ねるペニスを搾り取るように膣内は密着してくる。ペニスを膣から引き抜くと、遅れるように快感が僕の全身の力を奪い、たまらずマットレスに倒れ込む。 

横にある藍子の顔は上せていて、視線がどこを向いているか分からない。 

しかし、僕が顔を近づけると、こちらの方を向き、また唇を重ねてきた。 

34 : ◆U.8lOt6xMsuG 2017/09/21(木) 00:59:54.74 ID:s1G0vSFZ0 

◆◇◆ 

行為の後、けだるい体を動かして二人でシャワーを浴びた。二回目をする元気は互いに残って無くて、キスをしたり、浴槽で密着する程度のことしかしなかった。 

藍子の服は濡れていたので、洗濯機に入れている。洗濯する間の服として、僕の部屋着を手渡すと、嬉々としてそれを着た。 

そして今は、買ったばかりのコーヒーメーカーを稼働させ、二人でソファに並んで座りながらコーヒーを飲んでいる。僕はブラックを、藍子はカフェオレを啜る。無言でカップの中の液体を飲むだけの時間が続く。しかし、この時間も心地よかった。やっぱり藍子の隣にいるだけで、何をしなくても僕は満足するのだろう。 


35 : ◆U.8lOt6xMsuG 2017/09/21(木) 01:01:30.93 ID:s1G0vSFZ0 

「…Pさん」 

「うん?」 

沈黙の中、藍子が口を開く。口角が少しだけ上がっているのと、顔を少し赤らめているのが分かった。 

「…ありがとうございました」 

「…うん」 

担当の、それも未成年のアイドルに手を出した僕が感謝される筋合いなど、全くないわけだが。 

…今になって、罪悪感が押し寄せる。が、それも一瞬だけのことで。どれだけ嘆いていても、もう引き返せない一線を越えたことを撤回は出来ない。だったらもう、腹をくくるしか無いだろう。 

雨音と、洗濯機の音を聞きながら、そんな諦念にも似た覚悟を胸に刻んだ。 

藍子が飲み干したカップをテーブルに置く。それから僕の方をチラチラと見てくる。その頬は先ほどよりも朱く、また上気している。 

「…Pさん」 

「うん?」 

「明日もお休みですよね」 

「うん」 

「私も…そうなんですよね?」 

「…うん」 

ちらりと壁掛け時計を見た。今日の日付と共に、現在の時間が目に入る。午後二時。まだまだ僕と藍子の休みの時間はたっぷりとある。 

藍子の言わんとしていることを理解できないわけもなく、少し冷めたコーヒーを飲み干し、僕は藍子の手を握る。 

今回の休みがどうなるのか想像し、心を躍らせた。

36 : ◆U.8lOt6xMsuG 2017/09/21(木) 01:02:19.84 ID:s1G0vSFZ0 
ここまでです、ありがとうございました