モバマスP「それはある朝、突然に」

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1 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/10(火) 18:31:52.57 ID:9oywUm4B0 
ふと、周子のことが好きだという事に気付いた。

3 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/10(火) 18:43:01.28 ID:9oywUm4B0 
特に理由やきっかけはない。 

目が覚めたら、周子の顔が頭を過ぎり「好きだ」という言葉が出て来た。 

それから、今まで共にしてきた周子の様々な表情を急に思い出して、なんとも言い難い幸福感が胸の中を満たした。 


P「……」 


今まで仕事をしてきて、こんな経験は初めてだ。 

今日もLiPPSのメンバーと打ち合わせがあるのに、どうしたものか。

4 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/10(火) 18:56:05.24 ID:9oywUm4B0 
などと悩んでいても、仕事の時間はやって来る。 

極めて平静を装って仕事に励むつもりだったが、様子がおかしいとちひろさんに指摘されてしまった。 


ちひろ「プロデューサーさん? どうかしましたか?」 

P「い、いえ? 何も……」 

ちひろ「じー……」 

P「……」 

ちひろ「本当、何にもないですか? 何か、悩みとか」 

P「ええ、まぁ」 

ちひろ「ならいいんですけど……何か困った事があったらすぐに言ってくださいね?」 

ちひろ「みんなに心配かけちゃダメですからね」 

P「……はい」

5 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/10(火) 19:10:01.41 ID:9oywUm4B0 
付き合いの長いちひろさんには直ぐに見抜かれてしまった。 

流石に、悩みの中身まではバレていないが……果たして、他のアイドル達に隠し通せるだろうか? 

特に周子は一番付き合いの長いアイドルだ。一時期は同棲していた事もある。 

いつも通りに接する事ができるだろうか? 


周子「おっはよー」 

ちひろ「おはようございます」 


そして、ドアの向こうからやって来た彼女。 

何度も見ている筈の顔なのに、妙に落ち着かない。 


周子「んー? どしたん?」 


挨拶を返さない俺を、不思議そうに覗き込む周子。 

とりあえずはいつも通り、そう、いつも通りに。 

自分にそう言い聞かせて、挨拶を返すべく口を開く。

6 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/10(火) 19:10:34.54 ID:9oywUm4B0 
P「好きだ、結婚してくれ」

8 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/10(火) 19:34:32.96 ID:9oywUm4B0 
周子「は、へ?」 

ちひろ「プロデューサーさん?」 


ポカンとした表情を浮かべる二人。 

そりゃそうだ、何故朝一から愛の告白なんぞを聞かされなきゃいかんのだ。 


周子「P、Pさん? どしたん……?」 


困ったように眉根を寄せる周子。 

そんな顔も可愛いなぁ、なんて思いながらどう状況を修正するか考える。 

幸いにも、この場にはまだ俺達三人だけ。 


冗談だ、おはよう周子――その一言で、いつも通りの俺達に戻れる筈だ。

9 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/10(火) 19:51:26.17 ID:9oywUm4B0 
フレデリカ「カキ氷ってさー、シロップの味全部おなじらしーよ?」 

美嘉「え、マジで? アタシブルーハワイ好きなんだけど」 

奏「ブルーハワイ味……って冷静に考えると謎よね」 

志希「作ったげよーか? 志希ちゃん特製――」 

美嘉・フレデリカ・奏「いらない」 



廊下から、他のメンバーの声も聞こえて来た。 


周子「ぷ、プロデューサー?……なんか、言ってよ……」 


俺は周子の目を見詰めながら頷く。 

LiPPSのメンバーが部屋に足を踏み入れるのと同時に口を開き――

10 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/10(火) 19:53:48.84 ID:9oywUm4B0 
「愛してる。俺の子を産んでくれ」

11 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/10(火) 20:20:26.62 ID:9oywUm4B0 
――え゛っ 


異口同音に、絶句するLiPPSメンバー。 

あの志希ですら引いている。 

そりゃそうだ、打ち合わせに来たらユニットメンバーがセクハラ紛いの事をされているのだから。 


ちひろさん「じょ、冗談! 冗談ですよね、プロデューサーさん!」 

周子「あ、ああ……そ、そういう……?」 


12 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/10(火) 20:31:10.26 ID:9oywUm4B0 
ちひろさんが慌ててフォローに入る。 

周子もパチパチと瞬きを繰り返し、自分を落ち着かせようとしている。 


そうだ、彼女たちを安心させて、早く仕事の打ち合わせを始めよう。 


P「目の形が好きだ。サラサラの髪が好きだ」 

周子「は、」 

P「信頼して無防備な姿を見せてくれるのが、好きだ」 

周子「へ、」 

P「白い肌も好きだ。頬擦りしたくなる」 

周子「ふ、」 

P「その寝顔を、毎日見ていたいんだ」 



13 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/10(火) 20:35:40.52 ID:9oywUm4B0 
言ってしまった。 

小学生並みの語彙だが、溢れる言葉が止められなかった。 


周子「え、えと」 


周子はというと、ペースを乱されまくって目をグルグルと回している。 

追い詰められた時の輝子や乃々に似ている。 

彼女のこんな姿を見る機会なんて、これから先、一生ないだろう。 


P「周子」 


彼女の肩に手を置き、回っていた目をこちらに向けさせる。

14 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/10(火) 20:39:57.84 ID:9oywUm4B0 
P「大好きだ。一緒に暮らそう」

15 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/10(火) 20:54:16.13 ID:9oywUm4B0 
周子の目が忙しなく左右に泳ぎ、やがて俺と目線を合わせる。 

言いたい事があるようだが、上手く言葉にならない。 

そんな様子で口を開けたり、閉じたり。 

深呼吸を繰り返して、漸く周子が返事をした。 


周子「本気、なの?」 

P「ああ」 

周子「あたしで、いいの?」 

P「お前が、いいんだ」 

周子「……」 

周子「なら」 


周子「頷くしか、ないやん。こんなの」

16 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/10(火) 20:55:04.75 ID:9oywUm4B0 
周子「よろしくお願いします……できれば末永く、ね?」

18 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/10(火) 20:59:34.47 ID:9oywUm4B0 
周子は、白い顔を見事に赤く染めて頷いた。 

俺の想いが通じたのだ……勢いで押し切った、ともいう。 


P「というわけで。ちひろさん」 

ちひろ「は、はい……?」 

P「俺たちは、これからのことがあるので」 


周子の肩を抱き、二人で部屋から出る。 

背後で「えんだー?」「いやああああ」とか、LiPPSのメンバーが妙に騒がしいけど、ちひろさんが何とかしてくれるだろう。 

色々やらかしたような気がするが、幸せだから問題ないのだ。多分。 

19 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/10(火) 21:46:32.58 ID:9oywUm4B0 
なお、この後の俺達を待ち構えていたのは幸せな未来――ではなく。 

打ち合わせをすっぽかした俺達に対する、地獄の鬼もかくやとばかりの説教であった。 

また、この告白がきっかけで宵乙女、トラプリ、LMBG、LiPPS、メロウイエロー、Masque:Rade、PCSに火が付き会社全体を揺るがす騒動を巻き起こす事になるのだが……それはまた、別の話だろう。 


愛されあればどんな困難も越えられるのだ、きっと。 


周子「なんか、テキトーすぎない?」 

P「嫌いじゃないだろ、そういうの」 

周子「ま、そーだけどさ」 



終わり